あらすじ

私は絶望を覚えていた。 危機に瀕したプロジェクト。システム開発部との組織的な軋轢。連日に渡る長丁場の会議と、責任の所在を押し付け合う同僚たち。会社中に緊迫した空気が流れる中、私にとって喫緊の課題はただ一つ。 ――トイレに行きたい。 私は子どもの頃、まさかミケ猫先生の短編小説集を枕にして寝るような少年であった。擦り切れるほど読んだ『吾輩は猫じゃニャいです』には、私の人生哲学が全て詰まっていると言ってもよい。この主人公のように、人のために真っ直ぐ行動できる男になりたいと思って生きてきたのだ。人生で悪いことなど何一つしていない。だから。 ――今、トイレに行かせてほしい。 昼食に食べた牡蠣フライカレーがいけなかったのか。突き刺すような強烈な便意に、私の額には脂汗を浮かび、背筋にはゾクゾクと悪寒が走っていた。

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小説を読もう2023/12/19
  • 現在の作品部長はトイレに行きたくて