あらすじ
私は悪役令嬢である。そして何故だか、私と同年代ぐらいの王子様が、ヒロインといちゃついている場面に遭遇した。
……どうゆうことだってばよ? これは一体、どうゆうことなんだってばよ!
「あ、あのー」
「おや?どうしたんだい可愛いお嬢さん?」
私が声をかけると、王子様な方がこちらに振り向いた。その頭上には【王子】と書かれている。なるほど、彼は王子様のようだ。きっと将来はハーレムなんて作ったりして女誑しなんだろうなあと思うと無性に腹が立ってきた。私だって美少女なのに!
「そちらの可愛らしい女の子は誰なんですか?」
私が質問すると、王子様な方はよくぞ聞いてくれた!と言わんばかりに胸を張って、高らかに宣言した。
「この子は僕の婚約者だよ!」
ふふん!とでも言いそうな感じでドヤ顔をしている王子様。私は彼を白い目で見つめながら、ヒロインな少女に尋ねた。
「……そちらの方はお名前はなんと仰るのでしょうか?」
「え?私ですか?私は……リナリア・ホーリープレイスと申します」
「ホーリープレイスですって!?」
私の驚きっぷりに、彼女はびくりと肩を震わせた。彼女の名前を聞いて私が驚くのも無理はない。だって……ホーリープレイスは、私が通っている学園の名前なのだ!こんな偶然があるだなんて……と驚きつつも私は口を開く。
「あのーもしかしてリナリアさんって平民の方ですか?」
「そ、そうですけど……?」
不思議そうに首を傾げながら返事をする彼女に、私は内心歓喜した。なぜならこの乙女ゲームの世界には身分という制度があるからである。平民の彼女なら、簡単に攻略対象たちを落とせるだろう。それに彼女も攻略対象たちと仲が良いようだし、これは一緒に行動した方が私の死亡フラグを回避できるんじゃないか……?と私は考えたのだ!
「実は私もホーリープレイスに通う学生なんですよ!よかったら一緒に学園に行きませんか?」
私がそう提案すると彼女はぱあっと表情を明るくして嬉しそうに頷いた。私は内心ホッと胸を撫で下ろしつつ、これからの学園生活に思いを馳せたのだった。