あらすじ
エッテフ博士は、かねてより天国というものその存在を疑問視していた。
それは自分が神よりも科学を信仰し、また今のような老人となるまで宗教家らと、ことあるごとにやり合ってきたという因縁があった。無論、科学を信ずるからといって神の存在、ひいては天国を否定する必要はない上に、むしろこれは神のなせる業と思うこともあった。ともすればやはり、神の名を使い自らを高尚なもののようにふるまう宗教家らの存在こそが神や天国を否定する要因となっていたのかもしれない。
が、いかに高名な博士と言えど、老いさらばえ、自己分析もままならず、宗教家らに対する嫌悪をそのまま神に向け、それでいながら不思議なことに地獄というもの、その存在は僅かながらに信じているという、そんな自己矛盾を抱え、胸を掻く日々が続いていた。
そして、ある時。博士はこの地上に天国を作ろうと考えた。