あらすじ
「女にさえ生まれていれば、こんな苦労なんてせずにすんだ」
恨み節を残し、顔面ブロブフィッシュと揶揄されすっかり自信を喪失していたうだつが上がらない男、畝原藤四郎はある夏の日に長いとも言えない生涯を終えた。
目覚めたらベッドの上。部屋に駆け込んできた見知らぬ両親の泣き顔に、彼は自らの魂が別人の中に入ったことに気づく。
藤四郎の魂は別世界の日本(仮)で同時刻に自殺で命を落とした女子高生、ゾーイ・イェスズの身体に宿り、生き返ったのだ。
見るからに顔立ちが整った両親の娘となった藤四郎は、不細工に呪われた人生とおさらばし、インフルエンサーとしての輝かしい日々に夢を描く。
しかし自分の姿を鏡で確認した途端、彼の夢は儚くも消え去った。
ゾーイは美少女とは程遠く、ぶさi…もとい、ぶさかわ猫のような風貌だったからだ。生まれ変わってもせいぜいぶさかわ。微かなショックに落ち込む暇もなく、藤四郎は更に無慈悲な現実に直面した。自身の姿はこちらの世界でもごく少数派で、日本(仮)では個性はあれど、ほとんどの人間の容姿が美しく整っているというのだ。
「女でさえあれば」
そう考えていた藤四郎は、自殺したゾーイの日記を読むうちに、かつての自分が見て見ぬふりをしていた無残な事実を突きつけられる。
透明人間のように相手にされず、すっかり自信喪失し、自らを諦め、すべてを失ってしまったゾーイ。彼女に感情移入した藤四郎は世間への反逆心とともにゾーイへの庇護欲を昂らせ、彼女の未来を輝かしいものにしようと自らに誓う。
これからの人生、彼女が堂々と自信を持てようにと、藤史郎は彼女の存在を知らしめるためにも学園で開催されるとあるコンテストへの挑戦を決意した。
生徒たちの困りごとを請け負うなんでも屋として新たな友人に出会う中で、ゾーイは次第に自分の殻を破っていくこととなる。
すべては、彼女の幸せを紡ぐため。
人類皆美貌の世界を生きる女子高生となった元ブロブフィッシュ男は、全身全霊で絶望からの成り上がりに挑む。
※男→女転生です
※主人公の恋愛描写が少しあります