あらすじ

時々、小さな箱の中に入りたいと思うことがある。  膝を抱えて丸くなると、体がぴったり収まるくらいの箱。光も、音も、何もなくて、そこには自分しかいない――  わたし(吉村希咲)は高校一年の、いたって平凡な人間だ。性格も、容姿も、頭の出来だって。それでも時々、そんなことを思ってしまう。何があったわけでも、特別な理由がなくても。  日増しに暑さが厳しくなっていく、六月のこと。わたしはある女子生徒のことが気になってしまう。図書室で見かけたその女の子の、ある特徴が頭から離れなくて。  それから些細なことをきっかけに、わたしたちは親しくなる。少なくとも、話くらいはできるように。そうしてある雨の日、わたしは彼女に、とても重要なことを質問するのだけど―― 「心の正しい置き場所を探すの」  ある人は、わたしにそう言った。心が傷ついたり、悩んだり、苦しんだりしているときは、そうするのだと。  わたしはその言葉を思い出して、その場所のことを想像する。自分の形がよくわかる、その場所のことを。  ――そこは、小さな神様がいるところに似ている。 (21/5/6~21/5/24)

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カクヨム
カクヨム2023/12/14
  • 現在の作品ここは、小さな神様がいるところ