あらすじ
「好きな姿になって、かわいくなっていいんだよ」 厨二病を患う初鳥一喜《はっとりいつき》は私立高校に通う一年生だ。 きっかけは夏休みに入ってすぐ。中学の同窓会で、ファッションとは無縁だった女子友達が垢抜けしていたことだった。男子友達もすっかり洗練された見た目になってしまっていた。 一喜ひとりだけが中学、ましてや小学生時代から変わらない黒尽くしの服。手入れのしてない長い黒髪。前髪だって左目が隠れるほど伸びてしまっている。思春期なのか違うのか、自分一人だけ置いて行かれたような焦りや不安がやはり拭えなかった。 一喜の幼馴染である鷹見うるはは、そんな一喜がファッションに興味を持ち始めたことを感じ取り、ファッションに付いて教えることに。 髪の手入れの仕方。リップの付け方。アイラインの引き方。服の選び方。 リップさえまともに引けない一喜。アイラインを引けばヤマンバに。ファンデーションを塗れば白粉を叩いたかのように不自然さ。 試行錯誤しながらも、一喜は少しずつ厨二病から理想の女の子になることを望む。 口調や一人称を女子らしく変えはじめた。 ファッション雑誌に興味を持ちはじめた。 髪型を弄るのが暇つぶし変わりはじめた。 伊達メガネのかわいさに目覚めはじめた。 街中でナンパされる妄想を抱きはじめた。 夏休みの三十四日間、厨二病が女の子に大変身するために奮闘する現代ドラマである。