あらすじ
――アグラン視点――
ああもうイライラする…レリアを婚約者としてしぶしぶ連れてきて早数か月、いまだに簡単な仕事のひとつも覚えやしない…私の婚約者と言う名誉ある立場においてやったというのに、なんという体たらくか…
「…ああもう!!こうなったら本人にぶつけるしかない!!おい誰か!!誰かいないか!!」
――レリア視点――
「ご、ごめんなさい、旦那様…私、精いっぱいやってはいるのですが…」
「言い訳なんて聞きたくない!!!いいか、お前の手柄は私の物、私の失敗はお前の恥!!そんな事当然の事だ!!いちいちそんなことを説明してやるほど私も暇じゃないんだ!!女ならおとなしく私のいう事を聞け!!」
「し、しかし旦那様、それでは」
「うるさい!!…私の言うことが聞けないのなら死んでしまえ!!お前なんていなくなったって誰も困りはしないんだよ!!…平民上がりのくせに、ちょっともちあげればこのざまだ…これだから低俗で下品な女は嫌いなんだよ…」
…今この人は何と言ったか…私の事を…婚約者として精いっぱい支えになろうと頑張っているこの私の事を…平民上がりで低俗な下品な女だと…死んでしまえと…死んでも誰も困らないと…
「…なんだ?何か私に意見でもあるのか??今になってもなお生意気を通すか??」
…その時、私の中でなにかが吹っ切れた。…今までは不満が心の中にあっても、なんとかこの人の力になろうと自分を殺し、踏みとどまってきた…それが今、音をたてて崩れ落ちて行った。
「…わかりました。旦那様のおっしゃる通りにいたしましょう」
「…よしよし、ようやく理解したか…初めからそうしていればいいのだ」