あらすじ
赤星杏奈は、西塚小夜子の中学の同級生で、小夜子にとって憧れだった。
彼女は学年一の秀才、優等生で、誰よりも美しかった。しかし小夜子は杏奈をただ眺めるだけで、二人の間に接点はなかった。
高校は別で、最後に彼女を見たのは、高校一年生の時に、たまたま乗った電車の中だった。
それから十年が経ち、彼女のことを思い出すこともなかった。しかし小夜子が地元に帰省した際、友人の菊田英美香から赤星杏奈の近況を知ることになる。
彼女は就職して社会人となったが、精神を病み、現在は実家に引きこもっているとのこと。小夜子は中学時代、杏奈と交流はなかったが、ある理由により杏奈のもとを訪ねる。
そこで小夜子は見る影もなくなった今の杏奈と再会した。
悲惨な状況に身を置く杏奈に、小夜子は引き取ることを決める。
共同生活を始めて一ヶ月、落ち着いてきたころ、小夜子は奇妙な夢を見た。
中学二年の始業式の夢だった。その夢の中で、当時の姿のままの杏奈に会う。小夜子は思わず杏奈に告白した。
しかし夢なのに都合よくいかず、友達から始めることになる。
夢から目覚めると、小夜子は現実に戻っていた。しかし小夜子の中に、身に覚えのない別の記憶があった。それは杏奈と友人として過ごした十数年の記憶だった。
そして現実にも影響が及んでいることに気付く。交換したはずのない、杏奈のアドレスが登録されていた。
あの夢は忘れていた記憶なのか。あるいは、夢の中の行動が過去を変え、現実を改変するのか。
小夜子は気が狂いそうになるが、夢で過去を変えることで、杏奈を救うことができるかもしれないと考える。
小夜子は夢と現実を往還し、杏奈を救う決意をした。