あらすじ
おさとは海辺の村で生まれ、ひょんなことから帝都の大商人のお邸で女中をしている。
帝都にも海はあるのだが、おさとの知る海とは違い、毎日穏やかな海の音を聴いて育った彼女は淋しさを抱えて過ごしていた。楽しみといえば、お邸の子ども達の成長と、村に残した恋人からの手紙くらいだ。
お邸も、平穏な所ではない。
彼女が仕えている家族の長はこれまでふたりの妻を亡くしており、三人目の妻は子ども達とは血がつながらない。子ども達はあたらしい母に反発し、共同戦線を張っていた。
家中で戦をしているような家は、ある言葉で破綻を迎える。
©2022 弓良 十矢