あらすじ

あらすじ: SNSに投稿された猟奇殺人を思わせる女性の書き込みから始まるストーリー。 novelAIやMidjourneyなどで盛り上がりを見せている画像生成AI界隈の動向を横目で見ながら、移り行く「今」の世相や空気感を書き留められればという思い付きで書き殴った短編です。 本文は約3,500文字と短いながらも、色々な仕掛けを織り込んでみたので、まずは素のままお楽しみいただければと思います。 以下はネタバレというか「答え合わせ」みたいなものなので、必要であれば本編を読んだ後に戻ってきて読んでもらえれば、という構造になっています。 本作の読み方(セルフライナーノーツ) 冒頭: SNS(多分Twitter的なやつ)の投稿を模した女性一人称の語り。 初っ端から痴情のもつれによる猟奇的な殺人事件があったことが提示される。 時系列は段々と遡っていき、何故彼女が殺害に至ったのかが明かされていく。 どうやら彼女個人に送られたと思っていた曲の数々が、音楽生成AIによって自動生成された愛のないものであったことに憤慨し、勝手に裏切られた気持ちになったことが動機である様子。 時系列が逆なのは、主にTwitter風の臨場感を演出しようとしてのことであるが、最後には激情を募らせた彼女も、最初の頃は何も知らず幸せいっぱい胸いっぱいでいられたのだという部分に切ない風情を感じさせるのでは、というコスイ目論見もあって採用したもの。 ただし、読み手にとっては構造が理解しづらく、彼女への心情を寄せにくくなる欠点と、次のパートへの繋ぎとなる情報(殺害の事実)の印象が薄くなる(畳みかける感が減じる)欠点があるため、ちゃんと時系列順に情報提示すべきであったのかどうかは今も迷っている。 中盤1: 一転して二人の刑事たちによる三人称パート。 前パートにあるSNSの投稿が実はボット(AI)による自動生成であったことが明かされる。 SNSの書き込みは狂言で、しかもそれは人間ではなくボット同士が織り成す虚構であった──というのがこの物語で用意された最初の〈転〉。 「序盤で受け取った一人の女性に対する悲哀の感情はなんだったんだ、この野郎!」という裏切りが、書き手が読み手に与えたかった感情のまず一個目。 その後、新米警官の独白と実際の叙述によって、実は示唆された殺人は虚構である、というベテラン刑事の陳述推理がそもそも根底から覆るというのがもう一つの〈転〉。 「AI同士がじゃれ合うという未来社会の机上シミュレーションだと思わせといて、もう一段謎があるのかー。現実浸食系のホラー調かぁ?」と読み手の推理や空想力を刺激して、世界をブワワッと広げさせたいというのがこの辺りの目論見。 中盤2: 未来のネットニュースの体裁を模した真相説明パート。 前パートの最後で広げられた風呂敷が実にあっさり畳まれる。 新米刑事の前にあった死体は精巧なイミテーションで、殺人など始めからなかったのだというネタバレがされるという〈転〉。 書き手的には、〈転〉に継ぐ〈転〉でジェットコースター的な疾走感を与えたかったのだが、その目論見は成功しているだろうか? 終盤: リビングで執筆活動に勤しむ二人(?)の日常パート。 一番最後の入れ子構造なので、物語的にはこれが多分本当の真実にあたる。 これまでのやりとりの全てが旧式アンドロイド君の創作話だったと明かされる最後の〈転〉。 一種の古典的な夢落ち構造。白けて台無しになる手法なので、やっちゃいけない気もしながら書いたが、最後の台詞がとても気に入ったので結局採用することにした。 今現在の社会に生きる書き手自身としては、AIによる小説やイラストレーション、作曲などはなんだか〈風情〉がないな、というのが正直な心境なのだが、「それが当たり前になった未来には、AIに創作をさせるスタイル如何で、それが〈ロマンチック〉な手法だと評価されるようになっているのか~。そうかもな~」などという先走った感慨を共有したかった次第。 ちなみに書き手は、作中のアンドロイドの所有者君(?)のように「所詮AIには似たようなものしか書けない」などという楽観をしている訳ではない。 全体としては、最初からずっと、未来社会におけるAIたちの振る舞いを空想(シミュレート)し観察する、オムニバス的とも言える物語構成になっている。 何度も読み手を裏切ってる癖に「結局全部AIの話なんだよな」ってところで一貫していることに腹落ちしてもらいたい。 ちなみに、各々のパートに登場するAI達に感情があるのかなどの細部は敢えて決めていない。そこを掘り下げたい作品ではないので。 本作において、AIによる創作についての一家言を開陳したいという意思もない。ただ、読み手の想像力を揺すぶる幻惑的な体験を共有したいだけである。 細かな矛盾や投げっぱなしが気になって没入できなかったという方には申し訳ない。短編故にそういうディティールを削ぎ落し、雰囲気を優先した作品であることをお詫びしたい。 以上。 書き手としては、必要最小限に濃縮されたドラマを〈驚き〉の旋律に載せて作文できたと満足しているのだが、自分では客観的な評価が難しく、果たして自分が目論んだとおりに伝わる物語として成立しているのか(空回りしてないか)不安であるため、このように無粋の極みとも言える自己解説をしたためてみた。 ちゃんと伝わっていないとしたら、それは読み手である貴方の問題ではなく、きっと書き手の不甲斐ない力量のせいなので、是非ともそのギャップをコメント等でお知らせいただきたい。 深層学習AIだって、フィードバックがないと成長も試行錯誤もできないでしょ?

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カクヨム2022/10/23
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