あらすじ
あの時の声の真相。朝からソワソワしている。それもそうだ、今日は、運動公園で真子と待ち合わせをしている。頭をよぎるのは、妖精の姿だ。あの数日間は、夢を見ていたのであろうか。過去は記憶の中にある。私が真子に惹かれるのには、理由があった。二十歳の頃に出逢った康子。当時、19歳の彼女に、顔といい仕草といい雰囲気といい似ている。思わず、双子かと錯覚を覚えてしまいそうだ。運動公園までは、徒歩で10分。郊外の静かな場所にある。小高い山だ。駐車場にやって来ると、水色の軽自動車が見える。
今日は、眩しい光に反射されて、塗装が襲って来る気配もない。その先を見つめると、真子が立っている。大きなメガネに、春らしい。大きいサイズ のフロントジップロングワンピース。何か、真子らしい雰囲気だ。私がおーいと声をかけると、手を振って答えた。すると、真子は、走り寄って来る。
周りには誰もいない。私は、真子の身体を抱きしめた。真子は無言だ。その瞬間、真子の唇を盗んだ。一瞬、3秒ぐらいだろうか。その瞬間。空から声が聞こえてきた。