あらすじ
日が昇って間もないお屋敷の中において、私は婚約者であるシドレー様と口論を繰り広げていた。
「どうして私のせいにされるのですか!?もともと最初にこの事を言い始めたのは」
「うるさい!!女のくせに口答えするな!!…リイナ、その位にしておかないと、いよいよ私も許さんぞ?」
端的に言えば、シドレー様に依頼された通りに作業を行った結果、後になって自分はそんな依頼などしていないと言い始めたのだ。…私がここに来てからというもの、もはや毎日こんな光景が繰り広げられている。しかし今日の彼はいつもに増して機嫌が悪かったらしく、普段は口にしないようなことを口にし始めた。
「…はぁ…まさかここまで出来損ないな女だったとは…初めに期待してしまった自分がバカみたいだ…」
額に手を置き、心の底から自身の行いを公開している様子の彼。
「…もういい。こんな出来損ないな女はここに必要ない。…もう二度と私の前に姿を現すんじゃない。…いいな?」
…私が泣きつくことをおそらく期待しているのだろう。そんな薄汚いような手で私を操れるなどと、思わないで欲しい。
「分かりました。出来損ないな女は出て行って差し上げましょう。それがお互いのためです」