あらすじ

「邪魔な姉よねほんと…あいつさえいなかったら全部私の思い通りになるのに…」

 そう言葉を発するのは、ローリスの妹であるレミア。二人の姉妹は血のつながりのない、義理の関係である。その二人をつなぐ存在であるのが、ローリスの婚約相手であるウィルである。彼は婚約相手として一方的にローリスを選出し、半ば強引な形で婚約を推し進めた。そこには彼の立場を完全なものとする裏の目的もあったのだが、それは彼にしか知りえなかった。
 むしろこの一件で最も腹を立てているのが、レミアであった。権力者である兄を自分の言いなりにするという野望が、婚約者の存在によって消滅してしまうかもしれないためだ。

 なんとしてもその事態を阻止したいレミアは、ウィルに対して言葉をかける。

「ねえウィル。ほんとにあの女は婚約相手としてふさわしいの?もっといい相手がいるんじゃないの?私あんな女が姉になるだなんて嫌なんだけど」

 その言葉に対するウィルの返事は、レミアにとって意外なものだった。

「僕だっていやだとも。いっそ消えてくれないかと思うさ。けれど立場を安定なものとするために、辺り触りのなりユーフェリアあたりを選ぶほかないんだ。僕にはただ、事実が必要なのだから」

 レミアは、ローリスが兄を誘惑して婚約させたものだとばかり思っていたために、この返事に驚いた。

「…それならいっそ、本当に…」

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