あらすじ
凶悪変人皇子×異世界人として召喚された逃亡者
五年前に召喚された少年が逃亡し、彼に懸賞金がかけられたらしい。
金がない。とにかく金がない。まるで罪人扱いの張り紙を横目に、キョウは魔獣が放たれたと噂の森へ薬草を取りに行く。薬草は金になる。いくら危険があろうと関係ない。金が欲しいのだ。
しかしそこでキョウが目にしたのは、噂通りの魔獣と、魔獣の首にかけられたプレートだった。
——「タマチャン?」
——「お前、その文字が読めるのか」
キョウの背後に立っていたのは、巷では噂話にしか過ぎない凶悪なユリ魔法使いであった。
日本語で書かれた文字をうっかり読んでしまったキョウは、厄介なユリ魔法師に目をつけられる。それどころかユリの正体は、あの凶悪皇子であることが判明し、更に厄介が加速する。また、皇子が『ユリ』と偽名を使い北の城に閉じ籠る理由は、『異世界』——つまりはキョウが過去に暮らしていた世界を研究するためであったのだ。
「お前、上から落ちてきた逃亡者だな」ニヤリと笑うユリ。彼が提示したのは、自分のモノになる代わりにキョウを国家に通報せず、多額の報酬をも与えるというもの。突如として異世界に落とされたキョウは、追っ手から逃れて辿り着いた孤児院で暮らしていたが、孤児院は多額の借金を抱えている。
通報されない上に借金の返済資金も得られる。甘んじて受け入れるキョウだが、屋敷の者には嫌悪を向けられ、借金取りは未だにキョウを追い、ユリは最悪な性格でユリを身体的にも苦しめ、とうとう追い詰められてしまい——……
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