あらすじ
この世界では7歳になると女神より才能(スキル)を授かる。それはどんな者にも平等に与えられるがその中身には大きな格差は存在する。 スラム街に捨てられ懸命に生きて来た少年アレン・ミッシェラードは傭兵として暮らしていた。【鑑定】と呼ばれるなんの戦闘力も持たないアレンだが、悪知恵だけは人よりも働く。 同じスラム出身の人間のスキルを《鑑定》しまくり、死にかけの【剣姫】に目をつけ、無力のうちから必死に恩を売り歩き、武力を手にしたアレン。 (ここから、ずっと俺のターン!!) 傭兵として金を稼ぐために自作自演で貴族の子供を助け歩き、その褒賞は受け取らない。「強者である」と認知させ、依頼下限を200金貨に設定する事で、自分の価値を安売りしない姿勢を見せ、『最強』のフリをし続ける。 強気な交渉で依頼を受け、仕事はすべて【剣姫】に丸投げ。そんな生活を7年続け荒稼ぎしまくっていたアレンたちは王国一の傭兵として名を馳せる。 (この調子でバカどもから死ぬほど金をむしり取ってやる!) だが、高額依頼を達成したばかりのアレンたちの元に、王宮からの使者がやってくる。 大金を吹っかけようとそれに応じたアレンに待っていたのは、 「アレン・ミッシェラード。其方を勇者に任命する!」 【勇者】に指名され、魔王並びに魔族殲滅の旅に行かなければならないという、地獄だった。 本人は《鑑定》しかできず、戦闘力などほぼないのだが、強者を演じなければこれまでの詐欺が露見してしまうと考えたアレンは宣言する。 「この最強の傭兵が魔王を討ち果たしてくれる!」 金だけを奪い他国へと逃亡を企てるアレンの前には、1人の美女が立ち塞がる。 「勇者様。この国の聖女、ユリア・フォン・オークリエンティンがお供いたします!」 王国の第3王女にして【聖女】という監視者が……。