あらすじ
――世界の果ての薄明に、 白く小さな復讐の花が咲く――。 山間部でサボテンが異常繁殖していることを除けば、どこにでもあるありふれた街、藤見原市。 「自由研究ってわけじゃあないんだな」 このありふれた街で、ごく平凡な高校生・深山樹(みやま たつき)は、 「トーゼンでしょ」 河原にサボテンの種を撒く少女・沢本遥(さわもと はるか)と再会する。 ――あたしはこの街に復讐するの。 「そういう恰好で来たってことは、今日も手を貸す気でいるわけ?」 「こういう恰好で来たんだから、わざわざ確認するのは野暮ってもんじゃないか?」 一緒に生態系を破壊する危険なサボテンの繁殖に取り組むことになる二人。しかし――。 「昨夜遅く、藤見原市黒須の路地で接待付飲食店勤務の沢本雪乃さん(37)が頭から血を流して倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されたました」 三年前の事件で実の母を失った沢本遥が、復讐と称して河原にサボテンの種を撒く理由は何なのか。 「藤見原市警によると、沢本さんの頭部には鈍器で何度も殴られたような傷跡があり、市内で続発している連続殺人事件の新たな被害者である公算が高いとのことです」 五人の犠牲者を出した連続殺人事件の真実は一体何なのか。 「午後一時二十七分、侵略的外来種、Opuntia Mars 亜種――通称『土喰い』の排除を開始する。一同、かかれ」 そして、復讐計画の終わりに深山樹と沢本遥が見るものは。 「もうすぐだ。もうすぐあんたの背中に追いついてやるぞ、ハンマーキラー」 サボテンと連続殺人を巡る暗黒青春ミステリー、ここに誕生。