あらすじ
「お~い! 元気してる~? シェリル~」
白く無機質な病室に横たわり、シェリルは瞼の筋トレに明け暮れる退屈な日々を過ごしていた。
ある事件で重傷を負い入院生活を送っていた警官、シェリル・キア。
もちろん元気なワケない。
そんなある日、同僚の不良警官リシアからリハビリの為とVRゲームに誘われる。
どうやらコンピューター上の世界で自由に健康な体を動かせるらしい。ケガのリハビリと退屈しのぎに、と教えてくれたのだ。
流されるままにゲームの世界へ飛び込んだシェリル。
だが、アホのリシアめ。何のゲームなのか伝え忘れやがった。
結局自分でゲームの情報を調べつつ、シェリルは少しずつ体の感覚を取り戻していった。
ただ、万能魔法職とは名ばかりの器用貧乏職業に就き、成長すれば最強だけどレベル100になるまでは最弱の種族を選んでしまったシェリル。
それは弱い。超弱い。
とはいえ、それでも警官の端くれ。体術は得意だった。
子供の頃からお父さんとキャンプと称してはクマを倒したり、世界中いろんな所に連れていってもらったりしてたから。徒歩で。
そこで戦い方や生き抜く為の心構えを学んだものだ。
ところで最近知ったんだけど、それはキャンプじゃないって本当だろうか。
まぁ、おかげでゲームの世界でも割と殴り合えてると思う。魔法職なんだけどさ。
入院していたせいで鈍っていたけど、やはり戦う事は楽しい。
あと、名前を『ミケ』に打ち間違えてしまった。ネコじゃん。ヤダ。
温泉郷でのシナリオクエストを経て、王都アルテロンドに戻ってきたミケ。
破損した装備を修理したり、ジノのお願いを聞いたりゆっくり時間を過ごしていた。
そんな今日、週に一度開催される「侵攻クエスト」が迫っていた。
前回の侵攻クエストを思い返していたミケ。
だけど、元々戦闘に不向きな性格のジノとシェルティ。やはり怒号が飛び交う戦場は苦手なようで、侵攻クエストは見送る事になったのだった。
という訳で、今回の侵攻クエストは不参加。ジノの料理に舌鼓を打ちながらのんびり過ごす事にしようとしていた矢先、突如ソディスから伝えられた報告に衝撃が走る。
『よく聞け。戦場となるのはアルテロンドだ』
平穏な王都を舞台に、過去最大の戦いが始まる。