あらすじ
男は飛ぶことに魅入られてゆく─── 精神力で男たちを癒す能力を持つ、診療所で働くティとエレ。 彼女たちは、民族の人口を維持するため全女性母産化政策に参加していた。 この世界は、出生率が極端に少ないため、人口と労働力の課題を常に抱えていた。 彼女たちとの出会いを経て、これまでの日常とは大きく変わってゆくのを感じる、飛行士のリヒト。 そして、そんな彼に憧れを抱きつつも、なかなか距離が詰められない、新人飛行士のアメリ。 彼らの、日常は戦争へと向かってゆく空気感が色濃く漂うなかでも、平穏を求める民族たちによってなんとか守られていた。 彼が所属する、ラインガーデン自警団の第四分団。 そこでは、人的リソースの乏しい一族の、物流、救難、救命を一手に引き受けていた。 彼らは、「飛ばし」と呼ばれるこの地方に発生する不思議な能力を持ち、一般人では不可能な飛行舟の機動を可能とする。 リヒトはその能力が人一倍強力ではあったが、代わりに「他人との距離を近づけることができない」という体質を持っていた。 そんな中、男達はいつしか女よりも飛ぶことを求め……命の根元である性の欲を失っていってしまった。 今や、性欲は男の三大欲求の座を引きずり降ろされ、代わりに「飛行欲」ともいうべきものに置き換わっていってしまった。 彼らは、新しい社会概念を作り出すことで、生き残るすべを模索し始めた…… 生きるために空を飛び、飛ぶために、癒やしてもらわねばならない……。 彼は、人妻たちにより、癒やしの施術を受け、そして空へと飛び立ってゆく 争いを避け、母なる星より脱出してより60年余…… 自然とともに生きる一族は、新たなる安住の地を求めてこの星に降り立った。 生きることは、大変だ……生きていくことは、旅路のようだ──。 だからこそ、人は手を差しのべる。 ラインガーデン村自警団第四分団に所属する、若き飛行士とその仲間たちの日常と奮闘を描く物語。 物流・救命・災害派遣、そして……戦争。 限られた人員の中で、彼らはあらゆる任務に出動する。 争うことを容認しない教えの中で、飛行士たちはもがきながらも空を駆ける。 共に学び、共に笑った、錬成所の日々… 「飛ばし屋」と呼ばれた者たちが織りなす、穏やかな日常と激しき日常、そこに安住の地を見出すことはできるだろうか…。 (小説家になろう・ミッドナイトノベルズ上にてR18エピソードも公開しております)