あらすじ
「ブレイ騎士…期待していたのに、あんな人だったなんて…権力も何も持っていない騎士だなんて、話にならないわ」
そう吐き捨てるのは、ブレイに興味をもって婚約話を持ち掛けていたセナ。彼女はブレイがさぞ大きな力を掌握する有力な人間と見込んで関係を持ち掛けていたが、その期待外れな結果の前に機嫌を悪くしている。
「…そうだわ、こんなつまらないような相手を押し付けるにふさわしい人間が、一人いるじゃない…」
このまま一方的に関係を切り捨てては心象を悪くしてしまうため、彼女はこの婚約を別の人間に押し付けることで自らの婚約を取り消そうと考えた。そこで彼女の脳裏に真っ先に浮かんだのが、自身の姉であるローリアスの存在だった。
常に姉のローリアスを見下していた彼女は、婚約破棄を行える理由と合わせて彼女を攻撃するこの上ないタイミングだと考えたためだった。
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「私がブレイ騎士と婚約を?あなたがするはずだったんじゃなかったの?」
「私は心優しいので、お姉様にお譲りすると申し上げているんです。ブレイ様からはご快諾をいただきましたし、ここでお断りしてしまっては私や彼の気持ちに泥を塗ることになりますよ?そんなことはされませんよね?」
半ば強引な形で婚約を執行するべくまくしたてる彼女。しかしローリアスの方は、どこか直感的に理解していた。間違いなく問題があるのは騎士様ではなく妹の方なのだから、婚約に何ら問題などないのではないかと。
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