あらすじ
日中両国の二重スパイとしてITハイテク分野を渡り歩いた或る男の物語
上海の街で電動バイクを駆り追っ手を巻き、外交官と大企業駐在幹部のパーティーに顔を出し
中国奥地、国境周縁に分け入り、中国IOT戦略の調査を行う。
肩書の表向きは中国政府系民間機関の日本側合弁経営幹部だが、裏では日本政府外局の現地調査員。
しかし、日本では中国の在日情報機関の出先に席を置きつつ、某国立大学先端研究企業に潜入し、
国防系の日米情報防衛企業に潜伏する。
荒事を支えるパートナーは、戦車操縦からミサイル射撃まで何でもござれの元人民解放軍工作員女性兵。
そして影日向に交錯する各国のスパイとの暗闘。
ライフル狙撃やパラシュート降下、飛行機操縦まで熟す、フランス機関の元日本人商社マン
北米時代にCIAに所属しつつ、中国の公安部に食い込む大メーカーの調査員
交換学生を装いつつ研究施設に出入りする霞が関のキャリア官僚
在外日本人社会に接近するNSA職員の元アメリカ海兵隊員
それらの外国人を監視する中国国営航空会社職員を名乗る公安、国家安全部第7局の秘密警官
ビッグデータ・インフラとドローン兵器と最新AIを巡る日中米の死闘が静かに進む中を生きる男の、
過去には何があるのか。そして、男が本当に忠誠を誓うのは何か。
空前の繁栄の陰で堕落した夜光に煌く魔都上海のコンクリート摩天楼に、火花と血ノリと銃弾が迸る中、
男は静かに疾走する。