あらすじ

「やはりリリア様は美しく可愛らしいなぁ…あれほどの美しさを持たれているなら、いったいどんなお相手と婚約されるのか…」

「おいおい、リリア様の事ばかり言っていたら、姉のリカ様がかわいそうだぞ?」

「くっくっく。彼女もかわいそうになぁ。あんな可愛らしい妹がいたのでは、誰も彼女に見向きなどしない事だろう」

 二人の男がそう話をしているのは、あるしまいに関しての事だった。姉のリカはおとなしい性格で会ったのに対し、妹のリリアはわがままですべてを自分のものとしないと気が済まないような性格をしていた。そんな彼女にとって姉のリカは自分の存在価値を高めるための存在でしかなく、それはそれはよい関係にあるとは言えないものだった。
 そんな二人を見る周囲の目もまたリリアに惹かれており、リカにとっては難しい状況となっていた。

 食事会の場で二人を見かけた二人は、その会話をさらに弾ませて行く。

「そういえば…リカ様には婚約の話があったそうだが、あれはどうなったのだろう」

「なんだ、知らないのか?もとはリカ様に申し込まれた婚約だったそうだが、相手のラーウス卿は妹のリリア様と会話をするや否や、彼女の方に目を奪われてその婚約を取り消したんだ。そしてその後はリリア様との婚約を実現させるべく動き回っているとのうわさだ」

 これは事実だった。もともとはリカの元へと届けられた婚約の話。しかし姉に婚約をされる事が受け入れられなかったリリアは、自身が考えうるすべての手を使ってその婚約を取り消しに至らせ、さらには相手の心を奪う事でリカへの反撃としたのだった。

「そ、そんなことがあったとは…それじゃあやはり姉のリカ様は、リリア様をうらんで復讐する機会を探っているところといったところか…」

 普通に考えればそういう事なのだが、リカの真意は別の所にあった。

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