あらすじ
「「妹のメリーがフルード様と婚約を果たしたなら、姉の保有するすべての財産を妹に分け与えよ」これが無きお父様の遺言であり、命令です。これに背くというのなら、この家を出ていくという事になるけれど、その覚悟はあるの?」
勝ち誇った表情でそう言葉を発するのは、私の妹であるメリー。つい先日、お父様のお気に入りの貴族家男爵であるフルード様との婚約を勝ち取り、私からすべての財産を奪い取る手筈を整えたのだった。
「…そう、あなたフルード様と婚約したのね、それはおめでとう」
私は自身の手を叩き、改めて二人の婚約へお祝いの言葉を投げかける。
「くすくす。そんな余裕な表情を浮かべていられるのも今のうちよ。時期におじい様から譲り受けたあなたの財産は全て私の者になるんだから。…泣いて謝るのなら少しは残してあげてもいいけれど?」
口角を上げ、下品に笑いながらそう言葉を投げかけてくる。
「そんな必要はないわ。私たちはただただ遺言の通りに行動するだけだもの」
「あら、意外と物分かりが良いのね。…それじゃあ早速、譲渡手続き書類にサインをしてもらおうかしら」
彼女が差し出してきた書類に簡単に目を通し、そのまま速やかにサインをする。
「…はい、確かにサインをいただきました。これにて姉の持つもの、すなわちあんたのもちものは全部妹である私の物。文句はないわよね?」