あらすじ
「い、いや…いつ以来だろうか…君とこうして話をするのは」
なにやら不気味な笑みを浮かべながら話を始めたあたりを見るに、なにか裏があっての事には違いなかった。
「何の御用でしょうか?」
なんらその軽口に乗る様子のない私を見て、彼もまた周りくどい事を言うのは止めたらしく…
「…後悔しているのではないかあと思ってね?なぁに、私との婚約は君にとってもこの上ないほどの幸福なものであっただろう?それを取りやめて今やこんなへんぴな場所で生きるしかなくなっている。そうだろう?」
「つまり、なにがおっしゃりたいんですか?」
「では言おう。私の元に戻る気はないか?今戻るのなら正妻の立場を約束しようじゃないか」
なんというべきか、言葉を返す気にもなれなかった。まぁしかしこうして正直に話してくれたのだから、私も正直に話してあげることにしよう。本当は言うつもりもなかったけれど。
「せっかくのお話ですが、もう私はよいお話をいただいておりますので」
「そ、そんなまさか…だ、誰だ!?まさかその相手は…」
「はい。王室におられるノリック様です」
「っ!?!?!?」