あらすじ
時は20世紀末、東京の片隅で。 少女は踏切脇の骨董品屋で、奇妙な古い一輪挿しを見つけた。その表面にはびっしりと、古い護符が重ねて貼り付けられている。少女は一枚、また一枚と護符をはがし、そこに封印されていた鬼を解き放った。 遥(ハルカ)は国文学科に通う私大一年生。リア充な学生生活夢見て大学デビューを目指したものの、社交的な自分を演じられず疲れ果てている。現実逃避したくてしょうがないある日の夜、誰もいないはずの一人暮らしのアパートに、夜響(やきょう)と名乗る「鬼」があらわれた。夜響は空を飛び、月まで連れて行ってくれる。 広松徹(ひろまつとおる)は史学科卒の塾講師。妻と6歳の息子がいる。趣味の呪術と陰陽道を用い、少女が封印を解いた鬼を退治した。しかしあろうことか、少女は消える寸前の鬼の気を吸い取り、自らに呪いをかけた。広松は鬼となった少女を救うため、独自に調査をはじめる。 大人になったからと言って子供の心を忘れるわけじゃない。誰にでも捨てられない夢はある。すべての人の心に、夢見がちな小さいオニが潜んでいるのだ。 自由を求めるすべての人に贈る、青春物語。 ※ごく軽いものですが、女性同士の恋愛をにおわせる描写があります。 ※舞台が90年代のため未成年者が飲酒する場面がありますが、当時のリアリティを描いたためです。著者は未成年飲酒に賛成するわけではございません。