あらすじ
──20XX年 通信、物流、文化、そして文明の分断を起こした「分断戦争」から半世紀、人類は分断されたまま社会を立て直していた。都市は数多く生まれたが、その性質は協調性と秩序の“ロウ”、多様性と自由の“ケイオス”と、大きく二分される傾向にあった。それぞれの社会が問題を抱えていたが、特にケイオスの多くでは治安が乱れ、軍や警察が機能していなかった。そこで行政は犯罪を取り締まるため、犯罪者たちに略奪行為を行う「プライベーター=私掠者」の存在を認めていた。 登場人物 フィスタ シャオランドシティのプライベーター。“アクトレス”、“ウィッチ”の異名を持つ。 年齢不明、人種不詳の女性。特殊虹彩の染料で染められているボブカットの髪は光の加減で色が変わる。身長170cm 。 エメラルドグリーンのタイツの上に丈の短いジャケットを着用している。 体は生身だが脳が完全に人造のものになっている。それにより各種格闘術の使用と、高度なボディコントロールをすることが可能。感情、感覚、副交感神経も自分の意志で操作できる。 生き別れた娘を探している。子供に弱い。 チャカ フィスタの相棒のプライベーター。“ドラゴンフライ”の異名を持つ。 40代。肌は褐色。身長185cm。 上下黒のスーツを着用。 目まで覆っている白いヘルメット状のディバイスを義眼に接続して、一度に広範囲を見渡すことが可能。その特質を活かした射撃術を得意とする。数少ない銃の所持と使用を許可されたプライベーター。 「午前中は働かない主義」、「ポテトは野菜と見なさない主義」など、多くの「主義」を持つ。 エル 行方不明の父親を捜す少女。11歳。 人里離れた山奥で、父親とふたりで暮らしていた。母はすでに他界。 彼女の将来を心配した父が、“ロウ”の都市へ娘を入れるために金を作ろうと、マイルズの元で働き始めた直後に失踪。警察に父の捜索願を出すも捜査が進まず、知人からプライベーターの存在を教えられた。 マイルズ 人体ブローカーの元締め。 高齢だが雑な整形手術をくり返して見た目の年齢は不明。不自然な増毛に、顔面には若者の顔の皮を張り付けてある。子供のような声をしている。 犯罪行為をしていることは知られているが、貧乏人ばかりをターゲットにしているため捜査の手が及んでいない。 用語 プライベーター《私掠者》 政府から犯罪者が盗んだ物や、誘拐した人間を強奪する権利を認められている。また、現行犯逮捕時には正当防衛が認められる範囲が広い。その一方で、罪を犯した場合にはライセンスのはく奪に加え、通常よりも重い罪が課せられる。 厳しい審査を通過しなければ銃の所持と使用が認められないため、多くのプライベーターが原始的な武器や、機械化、人造化された体を武器にして仕事をしている。 分断戦争 長期化した結果、海底ケーブルの切断などにより通信が、次に物流が、そして文化と文明が分断された、一連の紛争と国際情勢の総称。 一般的には2030年代末期の朝鮮半島情勢の激変が始まりだとされるが、2020年代初頭のロシアの第一次ウクライナ侵攻を含める場合もある。国家間の状態をさすため、いまだ継続中とも考えられている。 ナチュラル 体に機械化、人造化されている部位がない者。 ロウ/ケイオス 都市の性質。 ロウは調和性と秩序を重んじる傾向にある。思想、宗教、言語、中には遺伝情報も統制されている都市がある。 ケイオスは多様性と自由を重んじる傾向にある。中には通貨も統一されていない都市がある。