あらすじ
「ミーリナお姉様、ユグア様がお話があるから部屋まで来て欲しいと言っていたわよ」
…どこか怪しげな口調でそう私に告げてきたのは、私の義妹であるセシナ。…お母様の連れ子として私の目の前に現れたその日から、卑しい性格に変化は全くない。
「そう、分かったわ」
彼女の横を通り過ぎ、ユグア様の部屋を目指して歩み始める。…横を通り過ぎる時に一瞬見えた彼女の表情は、何もかもが上手くいって楽しくて仕方がない、といった表情だった…
――ユグア視点――
私の長年の夢…それは東西貴族家地区の統一…そのためには、今の婚約者であるミーリナを捨て、彼女の義妹に当たるセシナと婚約するのが最短…
「はぁ…もっと早く彼女が打ち明けてくれていれば、こんな事には…まさか彼女が大貴族家の末裔だったなんて…」
そうと知っていれば、私はと婚約などしなかったというのに…
「…しかし今更後悔しても仕方がない…こうなってはもう後戻りはできない…」
ミーリナがこの部屋を訪れた時、すぐに婚約の破棄を彼女に告げる。新たにセシナと婚約することを決めたという事も告げる。なんと言われようとも、それが私のやるべき使命であり、私の夢への最短ルートなのだ。
「…よし、大丈夫だ…」
そう自分に言い聞かせた時、ミーリナが私の部屋を訪れた。私は用意しておいた台本通り、彼女にありのままの真実を告げるのであった。