あらすじ
誰からも必要とされない、誰からも愛されない、そんな存在価値のない人間がいるとすれば、それは…
「ルーリア、何度言ったらわかるんだよ…婚約式はもう明後日だぞ?どうして言った通りに準備ができないんだよ…」
心の底から呆れたような表情を浮かべるのは、婚約者であるアローグ様。…けれど、婚約者とはいっても、決して私の事を愛してなどいない人物…形式的な建前の元に私と婚約を結んで、適当に子供を産ませるのが目的なのだろう。私自身になんら興味などは示さない様子で、周囲の目ばかりを気にしている。
「…お姉様、どうせひまなのでしょう?だったら私の代わりに社交会に行っていただけませんか?…あ、これは失礼…お姉様はドレスの一着も持っていないんでしたわね…それでは社交会になんていけませんわよねえ…これはごめんなさい、よけいなことを言ってしまいましたわぁ」
嫌味丸出しでそう言葉を吐くのは、私の妹であるメリナ。…これでも外では明るく可愛らしいため、男性はもとより女性からも人気のある人物…私とは正反対な性格だ。
「…お姉様一人くらいいなくなったって、誰も気づきは致しませんわよ…?」
私の横まで近づくと、小さな声でそうつぶやいた。…それこそ私が聞こえるか聞こえないか、ぎりぎりなほどの小さな声で。
…ここに、私の居場所はなかった。
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