あらすじ
恒星間航行貨物船の乗組員であるサドーはひとり宇宙を漂流していた。――しかも、サウナに閉じ込められて。 しかし、無類のサウナ好きである彼は、むしろ、その状況を大いに楽しんでいた。 宇宙を孤独に漂流するサウナは、サドーにとって最高の死に場所だった。 ただ一つ、心残りがあるとすれば、それは最期に水風呂に入れずに死ぬことだった。 一方で水棲生態を持つ宇宙人・ラプラは、人生を転落しつづけ、不本意にも宇宙海賊に身をやつしていた。 宇宙海賊としても落ちこぼれた彼女は、まぬけにも自らが襲った貨物船に返り討ちに遭ってしまい、宇宙を遭難するはめになった。 自分の不幸を呪いながらも、死にたくないと願ったラプラは、偶然にも漂流する宇宙船の一部を見つける。ラプラは生き残るために、その宇宙船の一部――サドーのサウナへと接触を図る。 それは、無類のサウナ好きに水風呂のような美しさを、水風呂星人の人生にサウナのような熱を与える出会いだった。