あらすじ
ニュルは島の教会にたった1人の孤児だ。
教会にはもう長いこと司祭がおらず、教会の管理人である寡婦のハンナがニュルの面倒を見てくれている。
ハンナはニュルに、顔を隠すよう教えた。
ある日、島へやってきた人攫いに攫われたニュルは、老齢の領主・アルバートの率いる騎士隊によって助け出される。
アルバートはニュルについて報告を受けると顔をしかめた。
ニュル。
それは、遠く離れたある国では「無能」「価値がない」という意味を持つ言葉だったからだ。
司祭のいない教会に孤児を置いてはおけない、とアルバートは領都の教会へ彼女を連れて行く事を決める。
ニュルが島を出る日、ハンナはニュルに指輪を「誰にも見られないように」と言い添えて渡す。
それは木でできた見すぼらしい指輪だった。
ハンナはそれをニュルの父親の形見だと伝えた。
領都の教会で、ニュルはアルバートの命で新しい名前を授けられるが、島の代官がなぜか彼女を追ってやってきて、引き取りたいと申し出た───。
※この作品は、家紋武範様主催の『夕焼け企画』に参加しています。
※連載作品ですが、企画期間内に完結します。