あらすじ
あらすじ 幼なじみの田中美奈子に初恋をして、中学生になった赤坂克己は、父親の仕事の関係で引っ越した田中美奈子と突然の別れを迎える。 二人は文通で遠距離恋愛を続けていたが、ある日突然、田中美奈子からの手紙が届かなくなった。原因を確かめたかったが、中学生の赤坂克己には、東京から福岡に引っ越した田中美奈子に会いに行くことができなかった。 やがて、高校を経て大学受験が終わり、高校卒業後の春休みに福岡に行くが、田中美奈子の手紙に書かれていた住所に美奈子の家族は住んでいなかった。通っていた中学校を訪ねたが、卒業アルバムに美奈子の名前が無かった。 赤坂克己は何の手掛かりも得られないまま、大学生になった。 大学では、お城好きの趣味がきっかけで男子のタツと友達になり、タツの高校時代の同級生サッコと知り合い、サッコが大学で友達になったカナを紹介した。克己がカナに初めて会った時、カナがあまりに美奈子に似ていたので、克己は驚いたが、当然苗字も出身も違う別人だった。 4人は城郭を巡ることを目的とした会合を週一で行うようになる。 夏休みには、福岡の久留米に帰省するタツに誘われ、克己は一緒に福岡に行くことになった。サッコもカナを誘って帰省することになり、4人で福岡へ行くことになる。 福岡と温泉地の湯布院で遊んだ後、克己とカナは一足先に帰京することになったが、克己はもう一度田中美奈子の住んでいた街に行こうと思っていた。その時、カナが一緒に同行したいと言い出し、克己は断ることができず一緒に田中美奈子の住んでいた街に行った。 何の手掛かりも得られないと思っていた時、公園で犬の散歩をしている老人と出会うと、老人がカナを見て、美奈子と勘違いをして、声を掛けてきた。老人に、カナは美奈子と別人だと説明し、4年前に美奈子の家族に起きた事件を知ることができた。美奈子の両親は夫婦喧嘩で、母親が父親を刺殺し、自らも首をつり自殺した。その後、両親を失った美奈子と妹の2人は、何処かに行ってしまったという。 克己はたびたび、美奈子の夢を見ていた。 夢の中に出てくる美奈子は、いつも克己との思い出を振り返りながら、克己に自分を早く見つけ欲しいと訴えているように感じた。 みんなが東京に帰って来て初めての集会の時、克己は中学生の美奈子の写真をカナに見せた。 写真を見たカナは、自分に似ている美奈子の写真を見て驚いていた。 その後、克己はサッコから告白され、タツはカナに告白したが、どちらも成立せず、4人の関係は消滅していく。 また、克己の夢の中に美奈子が現れた。 クリスマスプレゼントのぬいぐるみの話になり、美奈子は克己にライオンのぬいぐるみを送ったと主張する。夢から覚めた克己は、ライオンのぬいぐるみを家中探した。そして、外の物置の中からライオンのぬいぐるみを見つけ、母親に問いただした。母親は泣き崩れ、美奈子からの手紙を処分し、ぬいぐるみを隠していたことを白状する。美奈子の家族の事件を知り、克己と美奈子の関係を断とうとしたのだ。 克己は家を出て、タツの家に世話になる。 月日が流れ、ある日、カナから克己に連絡が来る。美奈子に合わせてくれるという。 克己はカナに連れられて、信州松本にあるカナの家の墓の前に連れてこられた。 その墓の中に美奈子が眠っているという。 カナは自分の父親から聞いた真相を克己に語り始める。カナと美奈子は幼児の頃に別れた双子の姉妹だった。離婚した母親が、美奈子を引き取り再婚をし、新しい家族と福岡に引っ越し事件が起きた。美奈子は妹と施設に預けられたが、ある日妹を連れて東京に克己を探しに来ていたが、克己の家族も引っ越していて会うことができなかった。力尽きた美奈子は、一人で克己との思い出の場所で命を断った。警察からの連絡を受けたカナの父親は、内緒で美奈子の亡骸を火葬し、自分の家の墓に納めた。カナの父親は、カナから美奈子の写真を見せられ、全てをカナに話し、美奈子が書いた克己宛の手紙をカナに託した。美奈子の眠る墓の前で手紙を読んだ克己は、墓の前で手を合わせ、美奈子の元に辿り着いたことを美奈子に報告した。遅いという美奈子の声が聞こえた気がして、閉じた目から涙が流れた。