あらすじ
「あれ…ないな…どこにおいたんだっけ…」
自分の部屋で何かを探しているエレノーア。それは彼女にとって大切なペンダントなのだが、どこにも見当たらない様子だった。
しかしそれもそのはず、すでにこの部屋からは持ち去られてしまっていたのだから。
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「ここがあなたの婚約者の部屋なの?…なにか雰囲気悪いわねぇ…」
「はっはっは。まぁ性格も暗いし、部屋はそれに従うのかもしれないね」
陽気な口調で話をしながらも、エレノーアの部屋を物色している二人。一人は彼女の婚約者であるシンドレーと、もう一人は彼の幼馴染であるユレアだった。二人はまるでペットの部屋を荒らすかのじごとく物色して回り、何か気に入る物はないかと探し回っていた。
「やれやれ…別に何もないんじゃないか?君に言われたから時間を用意したけれど、あの女が何か隠し持っているとは思えないがなぁ」
「あら、そういう地味な女ほどなにかを隠し持っていたりするものでしょう?あなたに何も言っていないのならなおの事…ほら、これ!!」
部屋をあさる中で、何かを見つけたらしい彼女。その手の中には何やら赤みが勝ったペンダントが握られていた。
「あんまり価値はなさそうだけれど…まぁいいわ。これだけもらっておこうかしら。気に入らなくなったら捨てればいいし♪」
「はぁ…相変わらずだな君は…」
と、どこかため息のような声を出しながらも、楽しげな様子のシンドレー。それもそのはず、彼は婚約者よりも幼馴染の方に夢中なのだから。
「これで約束通り、また二人で旅行に行ってくれるのだろう?」
「ええ、いつでもどうぞ」
秘密の交換条件を交わしていた二人。お互いに損がないような状態に見えるものの、それは彼女のペンダントの本質を知るまでのわずかな時間のみであった。
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