あらすじ

どうも俺は瀬和祝斗《せわのりと》って言います。あだ名はノリです。よろしくお願いします。 まず名前からがあいさつの基本だと思うんでね。突然ながら名乗らせてもらいました。 さて、丁寧な言葉遣いは最初だけにしてもらいまして。堅苦しいからさ。こっちもそっちも疲れるだろうし。 良い? 構わない? 良いよね? 許しは得たってことにして話の続きをさせてもらうね。 んじゃ、軽い紹介に入らせてもらおうかな。 まず、俺の住む町は田舎。少なくとも俺はそう思う。 といっても何もないとかそんな感じの超ド田舎ってわけではなく。 コンビニはあるし商店街もある。ただ、スーパーとかデパートとかショッピングモールとかデッカイお店はなくて、日用品のまとめ買いとか大きな買い物は三十分に一回くらいある電車に乗るか、車に乗って隣町に行かなきゃいけない。 標高は知らないけど結構大きな山がいくつかあって、それが田舎っぽさを際立たせてる気がしないでもないような。 ネットは繋がるけど町そのものに名物があるわけでもなく。かといって住宅街みたいなのはあるし学校もあるから人がいないわけでもない。 あ、名物とまではいかないけど、なんか猫は多いかな。 町中に。学校に。山に。神社にと至るとこにいる。 特徴と言えば……それくらいかな? ここはそれ以外特に特徴のない、下町としては出掛けるのは不便で、ド田舎と言うには自然が足りない。そんな中途半端な田舎町。 だからなんというか。事件だとか。怪談だとか。都市伝説だとか。そういったのとは縁遠いって勝手に思い込んでたんだよ。 けど、モモ――丹夏桃菓《たんげとうか》との出会いをキッカケに俺の穏やかな日常は終わった。 高二の梅雨明けの夜十一時とかいうこれもまた半端な時期と時間帯にだよ。しかもちょっと目があっただけでこんなことになるとは思わないって。目が合っただけではなかったけど。 仮にこれを小説とか漫画とか物語とするなら、丑三つ時あたりだったらまだ良かったかもしれない。せめてもうちょっと夜更け。 けど、何て言うか。正直俺たちらしいなとも思う。 ある意味で普通であり。ある意味で異常な。半端な俺たちだからこそ。こんなぬるっと始まってしまったんだと思う。 時に事情を知る仲間内だけでダベりながら。時に普通の学生のように遊びながら。俺たちの『猫』に振り回される日々が始まったんだよな。 普通の学生としても過ごしつつ。その裏で猫に呪われた彼女たちとの日常が、始まったんだ。 ……ただ、その始まりというのが、さっきは目を合わせたからって言ったけど。正確には女の子のスカートの中を見てからなんだけどね。俺視点では。それってどうなんだろう? いや、まぁその……男子高校生の自分として眼福だったけどね。 モモ、あのときはごちそうさまでした。 「先輩、さっきから誰に話してんの? それと、あのときのことはさっさと忘れなさいよこんのドスケベ!」 ……スカートで尻尾生えてるのに塀の上走ってる方が悪いと思うんだ。 「ぅ、う、うるさい! くたばり爆ぜろエロ猫!!!」 常に猫耳生やしながら自分を棚上げして人を猫呼ばわりとはようそんなこと言いよるわ。この後輩さんは。

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カクヨム
カクヨム2022/05/17
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