あらすじ
「…リシェナは私の事をこんなにも思ってくれているというのに、どうして婚約者であるはずの君にこれ以上の事ができないんだ…君は私の事をきちんと愛しているのか…?せっかく婚約者に選んでやったというのに、なんだか飼い犬に手をかまれたような感覚だな…」
自身の妹であるリシェナ様からプレゼントされたというアクセサリーを気持ち悪い手つきで撫でまわしながら、アーレル様はそう私に言葉を発する。
「申し訳ありません…まだまだ勝手がわからなくて…お気を害されてしまったのでしたら、私が…」
「もういいもういい、言い訳なんて聞きたくない」
私の言葉を途中でさえぎると、もう飽きたと言わんばかりの態度をとる彼。
「…そうえば、この後リシェナが私を呼んでいるんだった。…じゃあ私は失礼するよ。偽りの婚約者さん」
ツカツカツカ、と靴の音を立てながら、私の横を通り過ぎて行く。…私は言葉を発することはできず、ただただ立ち尽くすのみであった。
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