あらすじ
両親の離婚からさき離れていた生まれ故郷。 17歳の夏に飛び込んできた生家の差し押さえという報が、十年ぶりに主人公・瑚和(こより)をその故郷へ舞い戻らせる。 田舎の雄大さ、懐かしい景色、幼馴染みとの再会―― 当初は気乗りしない帰郷旅行だったが、徐々に瑚和の気持ちも変化する。 その日々は、とうとう長い年月が過ぎても、ショーケースの奥に飾られた宝石のように、輝きを失わせなかった。 ある夜迷い込んできた仔猫に、瑚和はこの17歳の夏に経験した思い出の日々を語り聞かせる。 美しいばかりでは済まされなかった、けれども、ただ美しいばかりの、ナラタージュ形式の物語。