あらすじ
無駄に大きな中央会議室。私はそこに呼び出され、婚約者であるギリウス様と二人きり。普通ならだれもが憧れるシチュエーションなのだけれど、今の私たちを包む空気はそんなロマンチックなものではなかった。
「…この大広間だったな。私と君が初めて出会ったのは」
言葉だけ聞けば私たちの歩んだ歴史を懐かしんでいるように聞こえるけれど、その口調は荒々しかった。…どちらかと言えば、私との関係が終わりを迎えるからこその喜びの感情…
「…とまあ、こんな話をしたくて読んだわけではない。…そうだな、単刀直入に言おう」
それまでの彼の態度や雰囲気からも、内容は察することができた。
「君との関係を終わりにしたく思う。…まあ要は、婚約破棄と言うやつだ。結ばれる前に切ってしまった方がお互いのためであろう?」
お互いのため、というのは建前で、本当は自分のためであろうに。私は知っている。この男がかねてから私をスケープゴートに、様々な女たちに言葉をかけて回っていたという事を。