あらすじ
目を覚ますと、俺は、見知らぬ部屋にいた。 サークル状に並んだ黒い岩に、紙の人形を釘で刺した小さな白木の台。奥の土壁には、錆びた銀のエレベーターが鎮座している。 そして、部屋へ連れてこられたのは、どうやら俺だけではないらしかった。 集められたのは、服装も年齢もバラバラな八人の男女。 誰一人として、ここへ連れてこられた理由はおろか、直近の出来事すらも思い出すことができない。八人全員が、手がかりとなる記憶を抹消されていたのだ。 『おはようございまーす』 とつぜん部屋に響き渡る、正体不明の声。混乱する八人をよそに、謎の人物は続けざまに説明する。 この『家』では、計八回の鐘が鳴らされる。 一回目の鐘が鳴ると同時に浸水がはじまり、最後の鐘が鳴り終わる頃には、この『家』は完全に水没する。 水の勢いを止める方法は、ただ一つ。 他の七人を殺せ。 表へ出ることができるのは、正真正銘、最後に生き残った一人だけ。 『皆には、今からここで殺し合いをしてもらいます』 ガーン……ガーン……ガーン……ガーン。 部屋に鳴り響く荘厳な鐘の音が、凄惨なデスゲームの幕開けの合図になることを、この時の俺はまだ、知る由もなかった。 止まらない浸水の恐怖。 『家』に散りばめられた不気味な違和感の数々。 次第に明かされてゆく、参加者たちの奇妙な暗合。 刻々と迫りくる死へのタイムリミット。 なぜ八人は『家』に集められ、デスゲームへの参加を強いられたのか。 熾烈をきわめるゲーム主催側との知恵比べ。主催側の動機は、復讐、享楽、社会実験、それとも……。 ラストに明かされる衝撃の真実が、従来デスゲームの意義を根底から覆す!! ━━二つの物語が交錯したとき、あなたはきっと、滂沱する。 ※ネタバレ防止のため、参考文献の記載は省略させていただきます。