あらすじ
打ちひしがれたような表情を浮かべるその姿が、私の目の前にはあった。
私はあえて、事情を何も知らないふりをしながら妹のメアリーに声をかける。
「メアリー?顔色が悪いようだけれど、何かあったの?」
彼女は煽られていることを感じ取ったのか、イライラを隠しもしない様子で私の言葉に答える。
「…性悪女…全部知っているくせに、私が憎いからそんなことを言うのかしら、お姉様」
メアリーはこれまでその美貌ゆえに、男性に振り向いてもらえなかったことが一度もなかった。それゆえに彼女は大きな勘違いをしてしまった。
…今の自分なら、上級貴族様でさえも自分のものにできると考えたのだ。