あらすじ
僕こと砂川(すなかわ)は―かつて亡くなった幼馴染の圭子(けいこ)が忘れられない。 だから。僕は彼女が好きだった海へ行って。その砂浜の砂で彼女の像を塑像する。 これはある種のグリーフワークである。まあ、彼女の死を受け入れると言うよりは忘れない為にこんな事をしているのだが。 砂の像は年々、像が曖昧になっていく。 それは死の本質が忘却にあるからだ。 僕は消えゆく記憶を繋ぎ止めようと、砂の像を造り続ける。 僕は彼女の砂の像を塑像する以外の時間は大学生として生活している。 友人がいない訳ではないのだ。なんなら女友達もいる。名を住原(すみばる)という。 彼女は僕に何かと関わってくる。 …どうやら僕が好きらしい。 僕は住原に半ば告白じみた事をされるが。受け入れる事はできない。 彼女は僕の中に圭子が居ることを受け入れつつも待つつもりらしい。 『いいんだ。すぐに結論を出してくれなくたって。あたしは君を側で見守り続ける』 僕は住原に僕の病み―砂の塑像―を見せることにした。 案の定引かれたが、住原は僕に纏わりつく事にしたらしい。 そうして。2年が経って。僕たちは大学四回生になる。 いい加減。住原を受け入れなくてはならないが…