あらすじ
西暦、2108年。
環境問題さえもを克服した人類が住まう地球。
しかし貧富の格差は広がり、世界に戦争は溢れ、犯罪は増加の一途を辿っていくばかり。
辛うじて仮初の栄華を誇っているその世界で、人類はある一つの能力を手に入れた。
超能力と呼ばれるその新たな力は、新たな差別と偏見をもたらし、そして新たな憎しみを与えることになる。
そんな世界の極東にある一国の都市、東京での話。
昼行燈で誰に対してもフレンドリーな男、阿久津 夏澄(あくつ かすみ)。
冷静でぶっきらぼうな青年、黒上 晟(くろがみ せい)。
容姿も性格も好対照な二人は東京警視庁刑事部の超能力犯罪対策課、通称"PCD"に務め、能力者が起こす事件を追う身。
彼等には暗い過去があった。
そして、それ故に強い望みがあった。
いくつもの事件に翻弄されながらも、己のその願いの為に二人は眠らない街――東京を駆けまわる。
何物よりもどす黒い憎悪を抱くことは悪しきことなのか。
煮えたぎる怒りは許されないものなのか。
四肢を切断されるような悲しみは忌避されるものなのか。
生命活動さえ止めてしまいそうな絶望は、目を背けるべきことなのか。
強者の論理の下に"供物"にされた者たちの逆襲が今、始まる。