あらすじ
此岸と彼岸の境に存在する忘川河(ぼうせんが)。 霊魂が渡ると今世の記憶を忘れてしまうという忘却の河川のほとりで、彼岸花園を管理する見習い鬼使いがいた。 彼はいわゆる落ちこぼれであった。同じ時期に就任した同朋は、すでに多くが高位に進んでいる。 仕事に勤しむ同朋を遠くから眺め、彼岸花の絨毯で惰眠を貪る日々。 そんな彼はある日、とある迷魂の未練晴らしの依頼を任せられる。 しかしその依頼は、今までにない困難なものだった。 冥土の淵をさまよい続けた鬼使いは、現世へ降り立ち、他人の心に触れる。世界に触れる。 これは、未練に囚われたさまよえる魂の救済の物語。