あらすじ
「君が何と言おうと、僕には幼馴染であるユリがいるんだ。彼女は本当に心の底から僕の事を慕ってくれている。そんな可愛らしい彼女に嫉妬する気持ちは分かるが、いつまでもそんな事をする歳でもないだろう、君は。少しは年に相応しい行動をとったらどうなんだ」
いい大人が婚約関係にありながらほかの女性にうつつを抜かしている身分で、よく言ったものだ。その言葉をそのままこの人にお返ししてあげたく思う。幼馴染がどれだけ特別な関係なのか知らないけれど、そんなに言うなら初めからその人と婚約すればいいだけの話だ。
そうしない理由はただ一つ。結局愛などないからだ。はじめから彼女と婚約すれば彼女との関係に飽きてしまい、結局長続きしない。ゆえに私をスケープゴートの形で立てておくことで、彼女との愛人のような関係は際立ち、その現実に酔うことができる。彼は結局それしか頭にないのだ。