あらすじ
「やれやれ…僕が3人いれば同時に相手をしてあげられるんだけど、そうもいかないからなぁ…はぁ、神様はどうして体をひとつしかくれなかったのだろうか…」
私の婚約者であるドレミス様は、なにやらアルバムの写真に目を通しながらそうつぶやいた。そこに載っている写真の人物、一人は彼の幼馴染であるミーリス、もう一人は自身の妹にあたるクラナ。彼女たちからの熱烈なアプローチの前に、彼は婚約者でありながら半ばノックダウン状態であった。私との婚約が政略的であることに不満があるからか、その感情に歯止めはかからないらしい…
「…ミーリス、どうしたんだいそんな顔をして…まさか、二人に妬いているのかい?…くすくす…かわいい所がきみにもあるじゃないか。まぁ仕方がない事だ。こんな状況になって、冷静さを保てる女性などいやしないだろうから」
ある意味その通りだ。この状況になんの腹立たしさも覚えない人間なんて、いるはずがないだろう。
「それじゃあ、今夜僕は席を外すから。後の事は任せるから、上手くやっておいてくれたまえ」
うきうきとした表情でステップを踏み、心の底から楽しそうな表情を浮かべながら部屋を去るドレミス様。彼が姿を消し一人残された部屋の中で、私は誰に発するわけでもなくつぶやいた。