あらすじ

「僕がリアナに偏愛している?…やれやれ、どこの誰がそんなことを言っているのか知らないが、言うならきちんと知ってから言ってもらいたいものだな」

 皆がきちんと知ったうえでそう言葉にしていることを、この男は知らないらしい。婚約者たるソフィアを放っておいて、その妹であるリアナに偏愛するフォーリド。最初は彼に対して同情するような勢力も少なからず存在したものの、もはや今となっては誰も彼の味方をしていない。当のリアナですら彼を利用しているという立ち位置を崩さないにもかかわらず、本人はそれにさえ気づいていない。

「リアナとの間にやましい関係などない。それははっきりと言える。それが受け入れられないのは、間違いなく僕たちの関係に嫉妬している人間だ。…全くソフィアめ…妹を少しかわいがっただけでこんなありもしないうわさ話を流すとは…恥を知れ」

 この話を流したのはソフィアではない。ただ単にこの状況から自然に生まれた噂話であり、だれもこの二人に嫉妬などしていない。しかし自己意識の高いこの男には、どうしても周囲の者たちは自分たちを意識していると考えて仕方がないのだった。

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アルファポリス
アルファポリス2023/09/08
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