あらすじ
ある、世界中にその名を轟かせた大人気小説があった。
ダイナミックな異能を使った戦闘描写に、繊細な心情表現、巧みな伏線回収に魅力的なキャラクターと、読者の心を掴む全ての要素を持っていた。
僅か数年で、コミカライズ化、アニメ化、映画化、ゲーム化まで辿り着き、その経済効果は計り知れなく、世界規模で凄まじい売り上げを誇った。
そんな小説を、こよなく愛した一人の男がいた。
小説、漫画は全巻まとめ買いし、アニメは生と録画の両方で見て、イベントは欠かさず参加し、映画には何度も赴き、ゲームは廃人になるまでやりこむほどの、正直気持ち悪いくらいのガチファンだった。
そんなある日、気がついたときには、男はその小説『夢幻は遙かに』の世界に転生していた。
しかも、主人公達の幼馴染みであり、ラスボス前に立ちはだかり改心した敵役の青年に。
問題があるとすれば、その青年はラスボスの攻撃から主人公達を庇って死ぬキャラである、ということだったが――。
「原作は、守り通さなければ!!」
男は、死ぬ運命を回避するどころか、原作を守り通すことを誓った。
そして、その男を中心に、世界は動き始めた。
原作通りに物語が進むかどうかは、神のみぞ知る、かもしれない。