あらすじ

大好き。そういうと彼は言った。俺の持ってる金が好きなんだろ。
遠藤さくら(著)

私の名前は、望月京子。しがない、OLだ。
彼は高卒後、アルバイトをしながら、しがない人生を送っていた。それでも、期限切れのお弁当をお腹が空いている人に渡したりと見かけるたびに、彼の微笑が強くなる。そんな彼に惹かれて同棲しはじめた。

そんな彼だったのだが、最近冷たくなった。一時の気の迷いということもあり、放置していると、健也はわたしに文句を言うようになった。

京子の料理は不味いとか、いまさらになって大袈裟に言う。健也は、自己主張は強くない方だった。わたしは彼に何か起こったと察知した。

彼のスマホを見ると、ズラリと並んだ不倫相手の名前が記載されていた。この携帯はそもそも、お金がない中で、同棲生活の結婚指輪代わりに購入したものだ。

わたし以外には名前は掲載されていなかった。わたしはしらないふりをして泳がせることにした。彼がもう一度私の元へと戻ってくるかもと甘い期待を抱いたのだが・・・。

彼の変貌の元を辿ると、SNSの闇バイトだった。親玉は別にいるのだが、直属の上司?は、ルフィと言うらしい。

わたしは、気付かない振りをしながらも、彼へと質問を開始した。マルチ商法に手を出していない?彼はギクリッとした顔をする。正直者の彼は嘘がつけない。
人の道を踏み外している彼に説教を垂れた。すると、その日から、京子の飯は不味いと言うようになったのだ。ドツボにはまるとは早いものだと感心した。彼の転落人生は急速にそこからは地獄ぐらいまで転落した。会社を退社して、ひとり静かに、公園で会社に行く振りをして、鳩に餌をあげていた。
わたしは健也にいった。どうしてこんな所であぶらをうってるのかしら。自宅に帰りなさい。そう言うと健也の目からポロリポロリと涙が落ちた。俺は駄目な亭主だというのだ。確かにそれは一理あるかもね。でもさあ、人って人生の中で一度や二度は足を踏み外さないかしら。それが夫婦でしょ。健也大好き!と言うと健也は言った。俺の稼ぎが無くなるのを恐れているんだろ?違うわよ。でも信頼しているのは事実よ。あ・な・た。


遠藤さくら

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アルファポリス
アルファポリス2023/09/06
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