あらすじ
序章 人類の誕生と繁栄は実に不思議なものである。人類は進化の過程で知能を持つことにより、地球の歴史の中で前例のない発明、創造をし、複雑な社会を創り上げた。 本来、生命の目的は種を保存することであった。種を保存するためには、生命は個体数を増加させたり、他の種を栄養分として体内に取り込み、環境に適応したりする。また、天敵から身を守るため、あるときは逃げ、あるときは抵抗し、あるときは発見されないようにする。それらは本能と呼ばれている。 本能は環境に適応するためのものであることから、生命は体質を変え、知能を使う。その知能は、あるときは餌を取るために標的の習性を学び、その習性を利用し、狩りをする。また、逃げ延びるために岩などに同化したり、天敵の目を欺いたりする。したがって、本能に内在する知能は個体が生き延びるためのものであった。その知能を積極的に活用し、地球上の生物ピラミッドの頂点に頭角をあらわした種があった。それは人類である。 人類の知能の活用は、当初、外敵から身を守り、食をするためのものであった。それは、生物の弱点である火を利用し、武器を作るといったものである。このときの人類の知能はその場しのぎで生存するという本能に基づいた欲求を持っていた。それは生理的欲求である。 しかし、人類の欲求はそれだけは収まらなかった。人類は知能の活用により、技術・思想・理論・芸術などを生み出し、複雑な社会を形成していった。それにより、人間の欲求には様々なものが現れた。 それは、生理的欲求の他に、知る、理解することへの欲求、承認されることへの欲求、自己表現への欲求、芸術への欲求、刺激に対しての欲求、自尊心への欲求、自分の居場所を求める欲求、夢・希望に対しての欲求、創造への欲求、愛への欲求、などである。 これらの欲求のより、人間は多種多様に複雑化された精神構造を持つようになった。そんな精神構造を持った人間は、様々な驚異的なものを生み出してきた。その中の一つに、人類が全知全能を尽くしたものがあった。それはアンドロイドである。 アンドロイドとは、より人間に近い感覚を持つロボットである。人造人間ともいわれている。知能は人工知能である。その人工知能による能力は、思考能力、観察力、洞察力、理解力、記憶力、判断力、学習能力、応用力、処理能力、解決能力、創造力などである。 感覚は外界の情報を視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚的にとらえるためにセンサーを使用している。運動機能はその能力を最大限に発揮できるように配慮されている。 アンドロイドが造られた目的は、人間の生活をより安全に、より便利に、より快適にし、さらに人類社会に貢献することである。また、これは人類の技術能力の証明であり、夢でもあった。 はたして、そのような目的で造られた人類最大の文明ともいえるアンドロイドは人類に対してどのような影響を与えていくのであろうか。 (この小説は私が2003年11月15日初版発行のペンネーム深沢恭介(出版社:新風舎)として出版したものです。)