あらすじ
ベッドに横になりながら、私は昨日の出来事思い出す。
「私は悪くありませんわ。先に手を出してきたのはお姉様ですもの」
倒れこむ私の横に立ち、彼女は高らかにそう言い放つ。彼女に心酔する周囲の人々は誰一人彼女を疑いはせず、皆一様に私に対して怪訝そうな表情を浮かべている。
「…どうせリーゼに嫉妬して、手が出てしまったのでしょう?それで彼女が反撃したら、こうして被害者の振りをして…そんなことだからいつまでたっても彼女に及ばないのよ、あなたは…」
階段から落とされたという事実にあっても、悪者は私らしい。それほどに悪女たるこの女に、皆酔っているのだ。男の心をつかむ魔女のような彼女の前に、誰も否定的な言葉を投げることはできないのだから。