あらすじ
太平洋戦争末期、沖縄近海で特攻機との交戦の中、米海軍駆逐艦のレーダーは、まれにみる特異な自然現象を捉えていた。
そしていくつもの反応が消え去っていく・・・八十年以上にわたって埋もれていたその記録は、放射物理学における重大な発見により、その謎が解明されることになる。
当時消息を絶った特攻隊の一隊は、その革新的な応用技術により、まさに現代の、この世に突如として蘇ることになる。
当人たちにとって、時空の檻に閉じ込められていたことも、八十年以上の歳月の経過も、瞬時の出来事にすぎず、全くその認識がない。日米の激戦のさなかにあった旧日本海軍航空隊の出現に対し、現代の日米同盟軍は、共同作戦で彼らの保護を試みる。
一方でその作戦は、彼らの実用的価値を期待するものであった。
放射線の技術革新は、同時にあらゆる兵器の無力化を可能にした。電磁パルスの膜を張るオーロラ・シールド(A・S・S)と呼ばれる防御兵器を各国が導入したことで、世界の勢力図が様変わりしてしまう。
核兵器の抑止力まで失われた、不安定極まる世界の中で、仮想敵国は他国の侵攻を企てた。
旧日本海軍航空隊は、唯一、A・S・Sを突破し、敵に打撃を与えることができる、有力な戦力であることが明らかになる。
1945年の掬水作戦に参加した特攻隊は、海上自衛隊のDDH護衛艦「かが」の艦載機となり、ここに掬水航空艦隊が誕生する・・・。