あらすじ
ヒック! と声を漏らし、夜道を歩く男。
泣いて顔を真っ赤に、というのはあながち間違いではないが
手に持っているのは缶ビール。酔っているのだ。
フラフラとした足取りでその男は公園に入り、ベンチに座った。
「なんだってんだもぉ……」
そう呟き、項垂れる男。それもそのはず、この男、本日定年退職。
晴れて自由の身……ではない。
定年退職と言っても早期定年退職。つまりは体のいいクビ。男は望んでいなかった。
退職金は割り増しだがそれでも妻と子を養い、さらに自分たちの老後の生活を支えるのは厳しい。
まだまだ働けると言ってもこの歳で再就職となると……という風に落ち込んでいたのだ。