あらすじ
「ここにいる者の全会一致をもって、君を我が王国から追放することとする。異論のある者はいないな?」
エイトレック国王の号令の前に、反論の声をあげられるような勇気ある人間がいるはずもなかった。ルミナは婚約者として王宮に召喚されたにもかかわらず、言われのない罪を押し付けられ、人々の憎しみを全て受け取らされた。その結果が、この国外追放なのである。
…しかし中には、小さな声で異議を唱える者もいた。
「…ほ、本当にこれでいいのか…か、彼女を一人追放して、それですべて解決しましたとでも言うつもりなのか…」
「お、おい…国王に聞かれたらどうするんだ…」
「お前はこれでいいと思うのか?」
「それは…いいとは思わないが、他に方法もないだろう?気の毒だが彼女にはここを出て行ってもらって、皆の安心材料となってもらうほかないんだ…」
このように考える者たちは国王の側近中にも何人かいたものの、そんなことを違憲してしまえば同罪とみなされ、自分たちもまた同じ目にあってしまう。そんなことができる者はどこにもいなかった。